画像は施設で資料を確認する場面のイメージです。特定の医療機関・事業者や当センターの支援実績を示すものではありません。
フェムテック事業の引き継ぎでは、アプリや会員数だけでなく、利用者に約束しているサービスを誰が継続するかが重要です。ここでは、医療機関との連携や長期保管を含む事業を中心に、売却を考え始めた経営者が整理しておきたい事項をまとめます。
事業モデルによって必要な確認は変わります。以下は経営・契約の準備事項であり、個別の医療判断、法務・税務上の結論を示すものではありません。
1.サービスと責任の範囲を整理する
相談、予約、決済、診療、検査、保管、問い合わせ対応を、実際の提供主体ごとに分けます。事業会社が案内や料金回収を行っていても、医療機関の判断や技術的な責任まで同じ主体に属するとは限りません。
- 利用者と契約する会社、診療する医療機関、設備・保管の管理者
- 紹介・情報共有・事故連絡・苦情対応に関する契約と担当窓口
- ウェブサイト、利用規約、提携先の案内と実際の運用の違い
譲渡対象を「サービス一式」とせず、事業会社の株式、特定サービス、契約、システム、設備などの範囲を確認します。医療機関の事業や判断を、一般会社の事業と一括して扱わないことが大切です。
2.医療連携と長期サービスの継続条件を確かめる
提携先の数だけでなく、現在有効な契約、担当者、予約や情報連携の実態を確認します。資本関係や運営者が変わる際の通知・承諾の要否は、契約と相手方への確認事項です。
長期保管を含む場合は、保管場所、設備の所有・管理、点検記録、監視、夜間連絡、障害時の対応を整理します。保管物の移送・利用・廃棄などは、契約と専門的判断に関わるため、取引の都合だけで変更しません。
藤沢・湘南の拠点を利用する事業でも、提携先や保管先が別地域にあることがあります。実際の通院・配送・連絡経路に沿って継続条件を確認します。
3.利用者情報を必要な範囲で管理する
氏名、連絡先、相談履歴、診療に関わる情報、決済、保管管理の記録を分け、取得目的、契約、同意の記録、閲覧権限、委託先を確認します。フェムテック関連の情報をすべて同じ区分として扱わず、情報の内容と事業主体に応じて専門家へ確認します。
初期の買い手検討では、個人が分からない集計情報やサービスの概要から説明します。利用者名簿や診療内容を、初回問い合わせに添付する必要はありません。詳細情報の開示は必要性、相手先、取り扱い条件を確認した後に検討します。
参考となる資料は、医療・介護関係事業者向けガイダンスと個人情報保護法ガイドライン通則編です。各資料の対象事業者・適用関係を確認してください。
4.契約・前受金・運営コストを合わせて見る
年払い・複数年契約がある場合は、受領済みの代金と今後提供するサービスを対応させます。契約期間、更新、解約、返金、連絡が取れない場合の扱いなど、利用者ごとに適用される規約の版も確認します。
売上や会員数に加え、有料契約の継続状況、保管・保守・人員・システムに必要な費用を整理します。前受金や将来の提供義務をどう評価するかは、会計・税務の専門家と確認します。
買い手への希望条件には、価格だけでなく、既存利用者への対応、継続に必要な投資、提携先との関係、創業者の引き継ぎ期間を含めます。
5.人材・システム・委託先を引き継ぐ
医療連携、設備管理、情報管理、利用者対応の判断が、特定の担当者に集中していないかを確認します。担当者の意向とともに、代替者、判断基準、相談先、記録の保管場所を整理します。
システムについては、会社の所有・利用権と、実際に運用できる体制を分けて確認します。開発委託契約、管理者権限、バックアップ、障害対応、委託終了時のデータ移行を確認事項にします。医療情報システムを扱う場合は、厚生労働省の安全管理に関するガイドラインなど、適用される資料を参照します。
6.利用者への説明と移行計画を用意する
契約の成立日と、窓口・請求・ブランド・システムの変更日を分けて整理します。変更する内容、継続するサービス、問い合わせ先を利用者・医療機関・従業員へどう伝えるか、担当者と時期を決めます。
初回相談では、サービスの種類、提供主体、希望時期、重要な契約や設備の概要から始められます。資料がそろっていなくても、次に何を確認するかを整理できます。
関連する公開情報はグレイスグループとSBCメディカルグループの資本業務提携をご覧ください。当センターが関与した実績を示すものではありません。
参考資料
制度や手続きは、実際の事業内容と実行時点の案内を確認してください。以下は関連する法令・行政案内・公開情報への参照先です。
出典・関連資料の一覧を開く
- 経済産業省:企業・自治体向けフェムテック導入ガイダンス公表
- 個人情報保護委員会・厚生労働省:医療・介護関係事業者向けガイダンス
- 個人情報保護委員会:個人情報保護法ガイドライン通則編
- 個人情報保護委員会:医療機関における個人情報の取扱いに関する注意喚起
- 厚生労働省:医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第7.0版
- 厚生労働省:医療法における病院等の広告規制
- e-Gov法令検索:個人情報の保護に関する法律
- e-Gov法令検索:医療法
- 中小企業基盤整備機構:事業承継支援
- 日本産科婦人科学会:ノンメディカルな卵子凍結を検討されている方へ
- 日本産科婦人科学会:倫理に関する見解・会告
- 厚生労働省:小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業

